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■コラム一覧
・2011(平成23)年度
 
少子高齢化の進展と経済成長
年金基金による資金運用の利点(メリット)
何が投資収益の源泉となるか 〜中国の翡翠投資ブームから考える〜
分散投資か、集中投資か
過去の株式市場から考える
 
少子高齢化の進展と経済成長
◆50年後の日本と世界の人口は
 今年の1月、国(厚生労働省)の政策研究機関である国立社会保障・人口問題研究所より、日本の将来推計人口が公表されました。この推計は、2010年に行われた国勢調査の確定値を出発点(=現在)としていますが、その結果を概数で要約すると、まず総人口は50年後の2060年には現在の1億2,806万人から4,132万人減少して8,674万人になるというものでした。そして年齢区分別の人口構成比では、15〜64歳の生産年齢人口の比率が現在6割以上であるのが約5割に減少し、65歳以上の老年人口比率は現在の約2割から4割へと増加する見込みです。
 一方で世界に目を向けると、現在約70億人の世界の人口は50年後には95億人を超えていることが国連の推計により予想されています。すなわち、今後50年間のうちに、日本の人口は0.7倍に減少するのに対し、世界の人口は1.4倍に膨らむということです。
 
◆わが国が持続的に発展するための活路は
 このような数値を目の当たりにすると、わが国は大変な世の中になるのではないかという不安が一層沸いてくるかも知れません。今後を担うべき若い世代を含め、わが国の将来に明るい展望を抱いていない人の割合が多いのも、少子高齢化の進展によってわが国の将来が先細るイメージが重く圧し掛かっているところに大きな要因があると考えられます。 確かに経済成長の要素のひとつである「労働力供給の増大」の点からすれば、わが国が諸外国に比して劣勢であることは否定できません。しかしながら、成長を支える他の要素である「資本の生産性」や「技術進歩」等からすれば、大いに工夫の余地があるはずです。
 わが国は今日までの成長を通じて大きく蓄積してきた資本をいかに成長のために効果的に活かすかということをもっと真剣に考えていく必要があります。また、実用化に結び付けられる技術のための研究・教育等にもさらに注力していかなければなりません。このように今も比較優位にある資本や技術を貴重な資源と考え、差別化の手段として将来の展開に活用していく必要があるのです。
 
◆直接投資と間接投資による海外との関わり
 そして、国や企業の戦略・舵取りとしてグローバルな視点で物事を考えていくことが一層重要です。とくに企業活動においては、国境の壁は低く、世界の人口の増大に応じてさまざまな財・サービスを提供していく機会があるといえます。わが国の上場企業の海外での売上高は既に3割を超えていますが、欧米の大企業と比較するとまだわが国企業の海外への直接投資の比率は高いとは言えず、拡大できる余地は大きいと考えられます。そのように、海外への直接投資を通じてさらなる価値創造を行う担い手は、企業であるのです。
 また、間接投資として証券投資というものを考えると、国際分散投資を進めていくことが世界の人口増大に伴う成長を取り込んでいく方法として有力でしょう。海外企業に馴染みがなければ、外国株式のインデックス・ファンドやETF(上場投信)等を利用すれば比較的簡単に世界の株式市場への分散投資が可能になります。成長の高い新興国が注目されがちですが、新興国でビジネス展開している先進国の企業の存在や、世界経済の相互依存性等を考えると、ここでも広く世界に分散するのが正攻法ということができます。

 今後のわが国を考えると、何を「豊かさ」と考えるかについて従来とは違った尺度が必要になるかも知れません。しかし、いずれにしても広く世界に目を向けることが一層必要な時代となり、それがまた少子高齢化がいち早く進むわが国を支えていくことにもなるのです。
 
(みずほ年金研究所 村上 正人)

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年金基金による資産運用の利点(メリット)
「人生80年時代」と謂われて久しくなりました。仕事から引退した後も豊かな生活を送っていくための一助として、年金基金からの給付も期待されるところです。ここでは主に個人の運用と比較して、年金基金による運用の利点というものを考えてみましょう。

◆運用効率面等におけるメリット
 個人で株式投資を行う場合は、自ら興味を持っている企業をいくつか選んで投資するということが多いと思われますが、年金基金の運用の場合は年金給付の原資の確保のためという目的を明確にして組織的な運用が行われます。そこで、許容されるリスクの下で長期的に目標水準のリターンの獲得が期待できるように、計量的なシミュレーション等を経たうえで、さまざまな資産や銘柄への分散投資が行われるのです。
 例えばその中で株式運用という一部分をみても、少数の銘柄に集中したのではリスクが大きくなります。どのくらいの銘柄への分散が必要かということに関して、投資理論の権威でノーベル経済学者のハリー・マーコビッツは「20あるいは30の十分に注意して選んだ銘柄」、また世界中の人々に読まれている投資の啓蒙書『ウォール街のランダム・ウォーカー』を著したバートン・マルキールは「いろいろな業種から選んだ約50銘柄」と語っています。いずれにしても、数十銘柄かそれ以上の銘柄数が必要となるわけで、しかもバランス良く分散するということになると、なかなか個人で行っていくには難しいことです。ファンドの規模の制約もあるでしょうし、ポートフォリオを管理するためのツールも限定されるでしょう。さらに、小額で証券の取引を行うと手数料も割高になるのです。
 実際には年金基金は運用会社のファンド等を通じて数十どころか数百の銘柄に分散投資を行っていて、きめ細かなリスク管理がなされています。個人でも、投資信託等を活用するという方法もありますが、やはりコスト等の点で年金基金の運用に大きく劣後します。年金基金による運用においては規模のメリットが最大限に活かせるのです。
 さらに加えると、年金基金のファンドにおいて受け取る利子・配当等は非課税であり、長期の運用ではそれらが再投資されていくことの複利効果も大きなものになります。
 
◆長期に亘る運用のクオリティ維持という視点から
 年金基金は巨額の資金の運用を行っているがゆえに、運用受託機関等から資本市場あるいは投資戦略に関わる情報やポートフォリオのリスク管理手法等、日に日に新たな情報が寄せられてきます。それらを斟酌しながら、よりよい運用戦略と運用管理手法を選択して年金資産運用の一層の充実を図っていくことも年金基金にとっては重要です。
 年金の加入者等の大切な財産の運用に関わる年金基金の理事等には、専ら加入者等の利益を考えて行動することを求める忠実義務や、管理運用業務に精通している人と同程度の注意を払ってその任に当たるべき注意義務などの「受託者責任」といわれるものが課せられています。そして、年金基金に設置された運用委員会等の議論を経て組織として基本的な運用方針が決定され、それが実践されて定期的にチェックされていくからこそ、中長期にみて首尾一貫した運用を保っていくことが可能となります。市場という不確実な世界と対峙していくゆえ、例えばある期間でみると個人で運用していた方が成績は良かった等のことがしばしば起きるかも知れませんが、長期に亘って常に目標や方針に鑑みて均質なクオリティが維持されていくという点で、年金基金の運用は勝る要素が多いのです。
 AIJ投資顧問による悪質な詐欺事件が世の中を騒然とさせていますが、年金基金がしっかりとした意思決定プロセスを軸に組織としてのガバナンスを充実させていくことで、質の悪い運用会社に関わるリスクは排除できると考えられるのです。
 
(みずほ年金研究所 村上 正人)

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何が投資収益の源泉となるか 〜中国の翡翠投資ブームから考える〜
◆中国では翡翠への投資ブームが起きている!?
  最近、中国の一部の人たちが、鉱物であり宝石としても扱われる翡翠(ひすい)への投資に熱を上げていることが報道されています。翡翠にもさまざまな種類があるようで、品質の良いものはこの10年間で価格が数百倍になっているとのことです。このような話を聞くと、「バブル」という言葉を連想せずにはいられません。
 世界の歴史を紐解くと、時代も違えてさまざまな国でバブルが起きています。その投資対象もそれぞれ異なっています。わが国で1980年代後半に起きた株式や土地のバブルは記憶に新しいところですが、今般の中国の翡翠への投資の話は、17世紀のオランダで変わった品種の球根がもてはやされたチューリップ・バブルというものを思い起こさせます。
 投資の対象となる資産には、大別して金融資産と実物資産があります。ここで、いくつかの資産について、何が投資収益の源泉となるかということを考えてみましょう。
 
◆金融資産の投資収益の源泉は
 例えば、金融資産である国債や社債等は大半が将来に受け取る利金や償還時元本の金額、そしてスケジュールが決められています。途中で換金しようとすると金利変動等の影響を受けますが、償還日まで保有することを考えると、発行体に何事もなければ約束された利金や元本を全て手にすることができるのです。発行体が財政悪化で債務不履行に陥るリスクはありますが、格付けの高い債券であればそのようなケースは稀でしょう。
 また、株式の場合は、投資先の企業が世の中で価値のある財やサービスの提供を行う活動をすることを通じて利益(またはキャッシュフロー)を産み、それが配当や株価の値上がりの源泉となります。
 このように金融資産の場合は、その投資対象自体にキャッシュをどのように投資家に還元するかの仕組みが内在されているものが大半です。その場合、将来受け取ることが想定される金額に対して、今これだけの金額を投じたとするとどれくらいの投資収益率になるのかは一定の前提で算出することができます。それを判断の根拠として、投資の妥当性について考えていくことが可能となるのです。
 
◆実物資産の投資収益の源泉について
 金融資産に対して実物資産は性質がかなり異なります。そもそも、“実物資産”とひと括りにできないほど、性質の異なったものが多数存在しています。
 例えば、土地や建物は使用価値があってキャッシュフローを産むものも多くありますが、値上がりするかどうかは需給に左右されます。金は実物であると同時に貨幣にも近い交換価値を持っていると考えられます。また、石油や天然ガス等のエネルギー資源、小麦やとうもろこし等の農産物は、実体経済の上で財としての価値が認められますが、それが投資対象として収益を生むかどうかはやはり将来の需給に左右され、金利水準以上に値上がりをしないと実質の収益は得られないことになります。
 さらに、絵画や冒頭に挙げた翡翠のような宝飾品の一種となると、非常に個別性が強くなり、流動性も限られますので、投資して収益を得られるかどうかは、一般的な需給ということではなく、希少性の価値判断と、将来にそれを高く買い取る人が実際に現れるかどうかにかかってきてしまいます。それを合理的に見通すことは非常に困難なことです。
 このように考えていくと、今現在の世の中のブームやトレンドに流されることなく、歴史に学ぶとともに、何が収益の源泉になるのか等の投資対象の性質をよく洞察したうえで行動することが、適切な資産運用を行うための鍵となるのです。
 
(みずほ年金研究所 村上 正人)

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分散投資か、集中投資か
◆22年前のノーベル経済学賞受賞者の話
 この秋はノーベル賞の話題で世の中が沸き立ちました。山中伸弥教授のiPS細胞の研究は、今後の医療のさらなる進化に大きな希望を抱かせるものでした。ノーベル賞は6部門ありますが、経済学賞となると今まで日本人の受賞者は皆無です。
 その経済学賞についての話になりますが、22年前の1990年にハリー・マーコビッツ、ウィリアム・シャープという、「現代投資理論」の礎を築いた2人が受賞しています。
 マーコビッツは古来からの「財産三分法」といった分散投資に関する知恵を数学を使って表わしました。リスクを標準偏差と相関係数という尺度を用いて制御しながら、期待リターンとの関係で合理的な意思決定を行っていくことは、もはや金融の世界では一般常識化されています。また、シャープは、市場参加者が合理的な選択を行っていくことを前提に、市場の価格形成におけるリターンとリスクの均衡について定式化しました。
 
◆「現代投資理論」による「分散投資」の教え
 「現代投資理論」は合理的な投資家の行動によって市場の各々の証券の価格形成が適正に行われていることを前提としているため、現時点では明らかでない将来の価格変動のリスクを抑えるためには分散投資こそが有効な手段であると考えます。もしも、市場の全銘柄を包含したインデックス・ファンドがあれば、それは究極の分散を行っている効率的なポートフォリオであるということになります。
 現在、実際に年金や投資信託の分野で提供されている株式運用のアクティブ・ファンドでもこの理論が活用されており、株価の形成が概ね適正であるとしつつも一時的な歪みが生じることを利用して収益獲得を目指しているものが多くあります。そのため、100銘柄を超える多数の銘柄に分散投資を行っているアクティブ・ファンドも少なくはないのです。
 
◆注目を浴び始めた「集中投資」
 これに対し、最近は30〜50銘柄程度の少数の銘柄に集中投資した株式運用というものが注目を集めています。その背景としては、過去のいわゆる「失われた20年」の間にも、株価を上昇させたわが国の企業が僅かではあるが存在した点が挙げられます。大多数の銘柄はなぜ下落したかと言えば、過去にはわが国の企業群への大きな期待を反映して高い株価をつけていたのに対して現実が伴っていかなかったとも捉えられますし、あるいはもともとの市場の価格形成自体が適正ではなかった、と捉えることもできるかも知れません。
 しかし、今後もそのような状況が繰り返されるかどうかは現時点では分からないのです。
 
◆投資家としての選択は
 「集中投資」という言葉で思い浮かぶのは、投資によって世界一の大富豪になったウォーレン・バフェットです。バフェットは数十の少数銘柄でポートフォリオのコアとなる部分を構成し、それらを長期で保有することが知られています。彼は企業の内容について徹底的に分析し、企業の将来的な価値創造の見通しからして十分に投資採算が合うと理解できた銘柄に限って集中して投資を行うという方法で高い成果を上げ続けてきたのです。
 このような成功例に触れると集中投資戦略も魅力的に見えますが、誰もがバフェットになれる訳ではありません。市場の原理から考えると少数の銘柄から成るポートフォリオほど投資成果のばらつきも大きくなり、明暗が大きく分かれることが想定されます。銘柄選びやファンド選びが上手くいかないと、思わぬリスクに晒されることにもなりかねません。
 投資を行う際には、何事も基本的な原理をよく理解した上で、身の丈にあった選択をしていくことが肝要であるのです。
 
(みずほ年金研究所 村上 正人)

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過去の株式市場から考える
◆「失われた20年」の間のわが国の株式市場
 わが国の株式市場はバブル崩壊後のいわゆる「失われた20年」で大きく下落しました。東証一部上場の全銘柄対象の配当を含めた株価指数(TOPIX配当込み)でみると、1990年3月末を100とした場合、その20年後の2010年3月末の価値は45という値になります。すなわち、配当を考慮したとしても、20年間で投資した金額が半分以下になってしまっていたということです。
 同じ期間の同市場において連続したデータが取得可能な個別銘柄について観察してみると、20年間通算で投資した時の収益率がプラスであった銘柄の割合は2割未満です。ただし、20年間を1990年3月末からの前半の10年間と、2000年3月末からの後半の10年間の2つの期間に分けて観察すると、投資収益率がプラスとなった銘柄の割合は、前半の10年間では1割未満であったのに対して、後半の10年間では5割以上となっていました。
 
◆個別銘柄の顔ぶれは
 その「失われた20年」の間にも投資家に収益をもたらしてきた銘柄はどのようなところだったのでしょうか。20年間通算では、@久光製薬 Aユニ・チャーム Bキヤノン CHOYA D本田技研工業 E信越化学工業 Fテルモ Gローム Hイビデン I参天製薬 Jスズキ K武田薬品工業 といった企業が上位に連なります。ここに挙げた銘柄は、厳しい環境下にかかわらず、累積で200%以上の収益をもたらしてきました。
 では、最も厳しい時期だった1990年3月からの前半の10年間だけを取り出してみると、上位には @ローム A村田製作所 B東京精密 Cアドバンテスト D太陽誘電 というように、90年代終盤のITバブルの影響もあり、半導体・電子製品関係のメーカーが並びました。ちなみに、この5銘柄の10年間の累積の収益率は平均して842%にも及んでいました。
 ところが、同じこの5銘柄を2000年3月からの後半の10年間でみると、平均して実に▲79%という大幅な下落になりました。これらの銘柄は、いずれも20年間を通じて収益率がマイナスになっている訳ではありませんが、後半の10年間だけに投資した人は、ちょうどバブルが剥げ落ちる時期に差しかかり、8割の資金を失ってしまうことになったのです。
 
◆今までの観察から言えること
   20年間通算で上位の銘柄群を見ると、高齢化社会の進展の中でニーズが強まってきた医療分野の製品を提供してきた企業や、新興国を含めグローバルに強みを発揮してきた企業が目につきます。すなわち、国内の経済は非常に悪い環境であったのにもかかわらず、企業自体が国内外を問わずに何らかの形で人々にニーズのある商品・サービスを提供して株式価値を上げてきたということが共通して言えるのです。
 また、「失われた20年」を前・後半に分けた観察からは、10年ごとに投資収益率がプラスとなった銘柄数の割合も、また上位に並ぶ銘柄の顔ぶれも、かなり異なっていたことが分かりました。
 このような観察を通じて普遍的に言えることを考えてみましょう。過去から学べることは非常に多いのですが、過去の結果だけを重んじ過ぎたり、あるいは過去のことが繰り返し起こると考えると大きな過ちを犯す可能性があります。判断は難しいのですが、とくに市場の期待が過熱しているような場合には、しばしば企業の実力以上に株価が買われていたりするために、実際の企業業績が伴わないと下落が大きくなります。そして、長期的には世界の潮流の中で持続的に世の中に価値あるものを提供し続けている企業が投資家にも高い収益をもたらすことになるのです。
 
(みずほ年金研究所 村上 正人)

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